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アシードブリュー 株式会社

麹について

2009.07.31

麹について

FA003_L.jpg日本酒に用いる麹は、蒸した米に麹菌というコウジカビの胞子をふりかけて育てたものであり、米麹(こめこうじ)ともいう。これが米のデンプンをブドウ糖に変える、すなわち糖化の働きをする。
 
穀物である米は、主成分が多糖類であるデンプンであり、そのままでは酵母がエネルギー源として利用できないので、麹の働きによって分子量の小さな糖へと分解せねばならない。言いかえれば、酵母がデンプンから直接アルコール発酵を行うことはできないので、アルコールが生成されるには酵母が発酵を始められるように、いわば下ごしらえとしてデンプンが糖化されなければならない。その役割を担うのが、日本酒の場合は米麹である。米麹は、コウジカビが生成するデンプンの分解酵素であるα-アミラーゼやグルコアミラーゼを含み、これらの働きによって糖化が行われる。米麹は、ほかにタンパク質の分解酵素も含んでおり、分解によって生じたアミノ酸やペプチドは、酵母の生育や完成した酒の風味に影響する(参照:#麹造り)。
 
洋酒では、ワインに代表されるように、原料であるブドウ果汁の中にすでにブドウ糖が含まれているので、わざわざこうした糖化の工程が要らず、そのため単発酵文化圏となった。東洋においては、日本酒だけでなく、他の酒類や味噌、味醂、醤油など多くの食品に麹が使われ、それが食文化的に複発酵文化圏、カビ文化圏などとも呼ばれるゆえんともなっている。これは東南アジア - 東アジアの中高温湿潤地帯という気候上の特性から可能であった醸造法であり、微生物としての「カビ」の効果を利用したものである。
 
東洋で使われる麹菌には数々の種類があり、焼酎には白麹・黒麹(黒麹菌)・黄麹、泡盛には黒麹、紹興酒には赤麹が用いられるのが通常だが、日本酒の場合は味噌、味醂、醤油と同じく黄麹(きこうじ)(黄麹菌、黄色麹菌)が用いられる。ただし、「黄色」と言われるわりには、実際の色は緑や黄緑に近い。
 
また形状から分類すると、日本で用いられる麹は肉眼で見るかぎり米粒そのままの形をしているため、散麹(ばらこうじ)と呼ばれる。それに対して、中国など他の東洋諸国で用いられる麹は、餅麹(もちこうじ)と呼ばれ、原料となる米・麦など穀物の粉に水を加えて練り固めたものに、自然界に存在するクモノスカビ・ケカビの胞子が付着・繁殖してできるものである。


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