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お酒のいろはにほへと

人の技と自然の力

いい水、いい米、そして優れた人の技。これらの要素がすべて揃わなければ、極上の銘酒は、生まれない。美味なる酒は、福岡で生まれる。酒造りという文化が花開いた、全国有数の酒どころ福岡。珠玉の雫が今日も生まれます。

人の技と自然の力と。

農家が酒づくり集団を組織した杜氏制度

work01.jpg良質な米、恵まれた水、そしてそれを生かす人の技。このすべてが揃って美味しい酒が生まれます。

この人の技の部分は、蔵元で酒づくりに携わっている蔵人の経験と勘に裏打ちされた技術です。その酒づくり集団の頂点に立つのが総監督役の杜氏です。

もともと杜氏は、蔵に一年中いる従業員という形 態ではなく、農家の人々が請け負っていた仕事でした。昔は農繁期が終わって冬場の仕事があまりなかったので、酒づくりの技術を身に付けた杜氏が最低でも6~7人以上のグループを引き連れ、蔵元と契約し、冬場の農閑期に酒づくりに従事していたのです。酒は冬場の寒い時期に仕込みますから、その間蔵に長期泊まり込んで酒づくりに従事し、冬場の仕事が終わって田植えの時期になるとまた農業へと帰っていったのです。

人の技と自然の力と。

酒の味を左右する 杜氏の腕

work02.jpg杜氏は長年酒づくりに携わってきた経験と勘を身に付けて、蔵人の上にたって仕込みの指導を行います。全国には地域によってこの杜氏集団が昔から存在しています。福岡県には柳川杜氏、三潴杜氏、久留米杜氏といった大きな集団があります。糸島の芥屋にも芥屋杜氏が存在しますが、都会に近すぎることもありいまではたいへん小規模になってしまいました。



work03.jpg現在全国に23の杜氏組合がありますが、杜氏にはそれぞれに独特の流儀があり、地域や人に よって味は微妙に異なってきます。同じ銘柄でも杜氏が変わると酒の味が変わると言われるほど、酒の味を杜氏の腕は左右するのです。

最近は蔵元の設備の近代化も進み、酒づくりもずいぶんマニュアル化されてはきましたが、何せ相手は生き物。酒の質は刻々と微妙に変化しています。それを見極め適切な酒づくりを行うのは、やはり杜氏の経験と技なのです。    

人の技と自然の力と。

福岡は酒づくりに 最適の環境


work04.jpg酒は寒い時期に仕込むわけですが、その時に重要なのが温度もさることながら、醸造現場の湿度だと言われています。空気が乾燥していると、外硬内軟な蒸米や、よく破精込んだ麹が作りやすく、良質の酒が生まれるからです。

酒づくりには湿度の高さは大敵といわれ、温度調節にくらべ湿度調節は技術的になかなか難しいと言われます。たとえば酒どころと言われる東北の日本海側は、冬場に湿度の高いドカ雪が降ることで知られていますが、各醸造元は湿度対策にたいへん苦労していると聞きます。



work06.jpg福岡は九州でありながら冬場の気温は低く、空気が乾燥した気候です。
これは酒づくりには持って来いの風土です。しかも酒造好適米の王様「山田錦」の有数の産地であり、清冽な軟水に恵まれ、歴史ある杜氏集団が存在する。福岡は全国的に見ても、酒どころとしての条件を備えたトップクラスの地域であることが分かります。



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